養育費
養育費とは?
離婚後も、両親は子供の養育をおこなう義務があります。
この義務があるため、子供の世話をする側の親は、もう一方の親に対して、離婚後に子供の養育に関する費用を求めることができます。
このような子供が生活するための費用を「養育費」といいます。
養育費には、衣食住にかかる費用や、教育に関する費用、医療費や、お小遣いなどの費用が含まれます。
なお、よく似た概念として「婚姻費用」がありますが、
- ① 婚姻費用は婚姻中の費用(養育費は離婚後の費用)
- ② 婚姻費用は配偶者と子供の生活費(養育費は子供の生活費のみ)
などの違いがあります。
どのような場合に養育費を求めることができるの?
養育費は、あくまで自立をしていない子供のためのものです。
そのため、養育費を請求するには、子供が未成年であるなど自立をしていないことが条件になります。
一般的には、子供が20歳になるまでという約束で養育費を支払うことが多いといえます。
また、子供が大学に進学する予定がある場合には、
- ① 子供が22歳になるまで
- ② 子供が大学を卒業するまで
などの約束で養育費を支払うことも多いです。
養育費を求める方法は?
夫婦間の話し合いで解決できる場合、話し合いで養育費の金額・期間などの条件を決めることもできます。
話し合いでうまくまとまらない場合には、法的手続きを利用することになります。
すでに離婚が成立している場合
この場合、養育費に関する「調停」という手続きを裁判所に申し立てることになります。
「調停」とは、家庭裁判所の職員のサポートのもと、裁判所で話し合いをする手続きです。
「調停」で解決しない場合には、「審判」という手続きで、裁判所に養育費の条件を決めてもらうことになります。
離婚が成立していない場合
この場合、離婚に関する「調停」の中で、他の離婚条件と一緒に養育費の条件を話し合うことが一般的です。
「調停」で解決しない場合には、多くの場合、離婚訴訟(裁判)で解決されることになります。
なお、夫婦の双方とも離婚をすること自体に異論はないものの、養育費の点のみ話し合いでまとまらない場合には、上記の「審判」という手続きで裁判所が養育費を決めることもあります。
養育費の具体的な金額はどう決まるの?
養育費の具体的な金額は、
- ① 夫の収入
- ② 妻の収入
- ③ 子供の人数・年齢
などにより決まります。
下記の家庭裁判所のホームページ上に計算のための表(算定表といいます)が掲載されていますので、ご確認ください。
参照:平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について | 裁判所
例えば、
- ・ 夫の年収が700万円
- ・ 妻の年収が100万円
- ・ 妻が2人の子供(0歳〜14歳)を監護養育している
場合、夫から妻に渡す金額は月額約10万円〜12万円になります。
(なお、夫妻ともに給与所得者の場合です)
ただし、算定表により算出される金額は、あくまで目安に過ぎません。
子供が私立の学校に通っている場合や、子供に高額の医療費がかかる場合など、一定の理由がある場合には算定表の金額よりも増額・減額されることもあります。
子供のためにも、専門家である弁護士の意見なども踏まえ、しっかりと金額の妥当性を検討する必要があります。
養育費を支払ってもらえない場合どうすればいい?
養育費が支払われなくなった場合はどうすべきでしょうか?
対応方法は様々ですが、
- ① 弁護士を通じて催促の書面を送る
- ② 調停を申し立てる
- ③ 裁判所を通じて「履行勧告」をおこなう
- ④ 強制執行をおこなう
などの方法が考えられます。
それぞれ、メリット・デメリットがありますので、それらを踏まえて方法を選択する必要があります。
養育費の金額が途中で変わることもあるの?
一度取り決めた養育費の金額は、特別な理由がある場合には、変更できることがあります。
例えば、以下のような場合に変更が認められる可能性があります。
なお、話し合いで増額・減額を合意できない場合には、「調停」の手続きを利用して増額・減額の可否を決めることになります。
養育費の増額が認められた例
- ① 物価の著しい上昇があった場合
- ② 子供の進学により教育費が増加した場合
- ③ 子供の世話をしている側の親が病気にかかり収入が減少した場合
養育費の減額が認められた例
- ① 養育費を支払う側の親が、リストラや病気などにより失職し、収入が減少した場合
- ② 子供の世話をしている親が再婚し、子供が再婚相手と養子縁組をした場合
養育費に関する注意点等
書面を作成すること
養育費の条件を決めた場合、必ずその内容を書面にしましょう。
特に、「公正証書」という書面を作成すると、養育費が支払われなくなった際の強制執行の手続きが簡単になりますので、できる限り「公正証書」を作成するようにしましょう。
なお、「調停」などの裁判所の手続きの中で合意した場合にも、公正証書と同様に強制執行の手続きをとることができる書面を作成することになります。
養育費は一括でもらえる?
養育費の支払い方法は、「月額10万円」のように月々の支払いとすることが一般的です。
話し合いや調停の中で合意ができた場合には、一括で支払いをする場合もありますが、不利な金額にならないように金額を精査する必要があります。
最後に
本稿では養育費の概要を説明させていただきました。
現実の事案では、ここに記載した以外にも様々な論点が存在しています。
「算定表」で漫然と養育費を決めた場合、あなたにとって不利な条件になる場合もあります。
養育費は専門的な見地からの検討が必要不可欠ですので、離婚問題に精通した弁護士へのご相談をおすすめします。
横浜シティ法律事務所では、離婚問題を数多く取り扱っております。
無料相談も実施しておりますので、まずはお気軽にご連絡ください。