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離婚時年金分割制度をご存じですか?

離婚時年金分割制度のご紹介

例えば夫婦の一方に家事育児の負担が大きい場合、他方の配偶者は、一方の配偶者が家事育児をしてくれるからこそ、仕事に集中することができるといえます。

しかし、それぞれの収入によって夫婦が払い込む厚生年金の保険料額は異なるため、将来的に受給できる厚生・共済年金額に夫婦間で格差が生じることになります。

このような不公平を解消するために設けられたのが、離婚時年金分割制度です(以下、「年金分割といいます。」)。

年金分割とは、夫婦が婚姻期間中に納めた厚生・共済年金の保険料納付記録(標準報酬)を、離婚時に分割し、保険料納付記録を改定する制度です。
これにより、婚姻期間中に納付した保険料が少ない配偶者も、分割を受けた標準報酬総額に基づいて、将来的に厚生年金を受給することができます。
簡単に言えば、配偶者のうちより多くの保険料を納めた方から、他方配偶者に対し、納めた保険料を分ける(分割を受けた配偶者は、将来貰える年金が増える)ということです。

現段階での厚生年金の保険料納付記録に関する情報は、次に説明する年金分割のための情報通知書(以下、「情報通知書」といいます。)で確認することができます。

情報通知書について

情報通知書には、年金分割の対象となる期間、標準報酬総額や按分割合の範囲など、年金分割に関する様々な情報が記載されています。

情報通知書は、年金事務所(公務員の方であれば共済組合)に請求手続をすれば発行を受けることができます。
ただし、年金事務所は込み合っていることが多いため、年金事務所に行かれる際には事前予約することをおすすめいたします。また、手続をしてから実際に発行を受けるまでは、数週間あるいは1か月以上かかる場合もあります。請求手続をしたからといって、すぐに情報通知書が届くわけではないことに注意が必要です。

次は年金分割の方法、合意分割と3号分割について詳しく解説していきます。

分割方法について

合意分割

合意分割は、年金分割の按分割合について、その名のとおり当事者双方の合意で定める方法です。

ただし、合意する按分割合には制限があります。
合意割合の上限は50%、下限は分割を受ける側の分割前の割合までであり、それを下回る割合で合意することはできません。

具体例をご説明します。
夫の標準報酬総額が1000万円、妻の標準報酬総額が250万円の場合、夫婦の標準報酬総額の合計は1250万円です。
そのため、按分割合の上限は50%、下限は20%になります。
また、按分割合が50%の場合、夫婦それぞれの標準報酬総額は625万円ずつになります。

協議で分割割合の合意ができない場合には、家庭裁判所に審判を申し立てて、家庭裁判所に按分割合を定めてもらうことになります(審判以外に調停等の方法もあります。)。
家庭裁判所が按分割合を定める場合、余程例外的な事情がない限り、按分割合は50%となります。
令和2年の司法統計によれば、審判では、1591件中1581件(99.37%)において、按分割合50%と定められております。

協議、調停あるいは審判で按分割合を定めたとしても、それだけでは年金分割の効力は生じません。実際に年金事務所(公務員の方であれば共済組合)において、年金分割の請求手続を忘れずに行いましょう。

3号分割

夫婦の一方が配偶者の被扶養者である場合、その被扶養者は「第3号被保険者」と呼ばれます。
会社員の夫と専業主婦の妻の例が典型例で、この場合妻が被扶養者(第3号被保険者)となりますが、会社員の夫が負担した保険料は、専業主婦である妻と夫婦で共同して負担したものと考えられています。
そのため、被扶養者の方は、上記合意分割を行うまでもなく、年金分割を50%とする請求をすることができます。
配偶者の合意は不要で、被扶養者の方のみの請求により、年金分割の手続が可能なのです。
この年金分割の方法を、3号分割といいます。

なお、3号分割の対象となるのは、平成20年4月1日以降に被扶養者であった期間に限られます(制度が施行されたのが平成20年4月1日であるためです。)。
そのため、平成20年3月以前の部分や、共働きでそれぞれが厚生年金に加入していた期間がある場合には、3号分割ではなく合意分割を行うこととなります。
この場合、合意分割による年金分割請求を行えば、3号分割の対象期間も含めて標準報酬総額の改定が行われるため、別途3号分割による年金分割請求を行う必要はありません。

請求の期限にご注意を

年金分割の請求は、離婚後も行うことができます。
ただし、離婚をした翌日から起算して2年間が請求の期限となります。

2年を経過する前に審判等を申し立てれば、審判等の期間中に離婚から2年を経過したとしても、年金分割の請求権を失うことはありません。
もっとも、審判等が確定した日から6か月以内に、年金事務所で年金分割の請求をする必要がありますので、お忘れにならないようご注意ください。

おわりに

以上のように、年金分割は、将来の経済的な不安から離婚に踏み切れない方にとって、助けとなる制度です。

必要書類の集め方や手続の選択など、難しい部分はございますが、ご相談の際に丁寧にご説明いたしますので、ご安心ください。

横浜シティ法律事務所には、離婚問題について経験豊富な弁護士が在籍しております。
離婚についてお悩みの方には、年金分割を含め、離婚に関して検討すべき事項や、離婚の流れについてご説明いたします。
初回のご相談は60分無料で承っておりますので、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

山本 新一郎弁護士 (神奈川県弁護士会所属)

Shinichiro Yamamoto

弁護士の山本新一郎と申します。
私は江戸時代より代々医師を生業としてきた家系に生まれ、幼い頃から病気に悩む方々に対して優しい言葉をかけ、懸命に治療をする父や祖父の姿を見て育ちました。
私が弁護士を志した原点もここにあり、法的トラブルに巻き込まれてしまった方々の負担を少しでも軽くしたいと常に考えております。
病気と同じく、法的トラブルも早めにご相談いただければダメージなく解決できるものです。
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