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医師のための離婚相談

医師・歯科医師の離婚の特徴

医師・歯科医師の方の離婚問題は、会社員や公務員の方とは異なった特徴があります。
これは、医師・歯科医師という職業の特殊性から生じるものです。
 

財産分与

特徴

まず、医師や歯科医師の方は財産を持っている方が多く、資産運用をしているケースも多いため、財産分与が複雑になる傾向があります。
また、開業医の方の場合、財産が医療法人名義になっている場合が多くあります。
このような場合でも、実質的に個人の財産と考えられる場合には離婚時の財産分与の対象となるケースもあります。
医療法人名義の財産が実質的には個人の財産といえるかどうかは非常に難しい問題ですから、財産状況等を弁護士に伝えて相談されることをおすすめいたします。
さらに、退職金規定が設けられている医療法人の場合、退職金も財産分与の対象となり得ますから、注意が必要です。
 

財産分与の割合

財産分与の割合については、原則として、2分の1ずつです。
過去には専業主婦の配偶者の割合を小さくする裁判例もありましたが、現在は専業主婦の配偶者であっても2分の1とするのが裁判実務の傾向です。
ただし、財産が主に医師の経営手腕や特殊な医療技能によって形成されたと認められて、2分の1を上回る割合で医師が財産分与を受けたケースもあります。
たとえば、夫が病院を開業した医師の年収が1億円を超え、資産も1億円を超えていた事案で、2分の1を基準とすることは妥当性を欠くとして、妻に2000万円の財産分与のみを認めた事例があります(福岡高裁昭和44年12月24日判決)。
 

医療法人の持分

平成19年4月1日の医療法改正前に設立された医療法人の場合、持分を医師が有していることが多いです。
この持分についても財産分与の対象となり得ます。
また、夫婦双方が持分を有している場合、持分の払戻しも問題となります。
 

配偶者を雇用している場合の注意点

医師が配偶者を従業員や役員としているケースはよくあります。
離婚後も継続して配偶者を雇用したいと考える人は多くありません。
しかし、従業員の解雇には客観的な合理的理由と社会通念上の相当性が必要であるため(労働契約法第16条)、離婚のみを理由として従業員の配偶者を解雇してしまうと、不当解雇として損害賠償請求の問題となります。
また、役員の任期途中の解任には社員総会で過半数の賛成が必要とされており(医療法第48条の3第7項)、決議を経ずに役員の配偶者を解任することはできません。
したがって、このような場合、離婚の際にきちんとした処理をしておかないと医療法人の経営にも悪影響が及びかねません。
 

婿養子に入っている場合の注意点

配偶者の両親が開業医であった場合、将来その病院を継ぐために、婿養子に入り、配偶者の両親と養子縁組をしていることがあります。
養子縁組は、離婚をしても、自動的に解消されるわけはありません。
そのため、養子縁組を解消したい場合には、別途離縁の手続きが必要になります。
離縁は養子と養親の合意に基づいてすることができますが、話し合いでの解決が難しい場合には、家庭裁判所に離縁の調停・審判を申し立てることになります。
 

婚姻費用や養育費

婚姻費用(婚姻中の生活費)や養育費の金額の算定にあたっては、裁判所が用いている「算定表」が活用されます。
もっとも、算定表では一定の所得(給与所得2000万円、自営所得1409万円)までの方が対象とされているところ、医師・歯科医師の方はこの収入を超える高収入の方も多いです。
また、医師・歯科医師の方は給与所得と自営所得の双方を有している方もいます。
このような場合は少し複雑な計算が必要となりますから、弁護士にご相談ください。
 

まとめ

医師・歯科医師の方の離婚には上記のような特殊性があります。
そのため、一般的な離婚に比べて問題が複雑になることが多いです。
また、収入が多いために慰謝料も高額になる傾向があります。
したがって、離婚を考えている医師・歯科医師の方や、その配偶者の方は、早い段階で弁護士に相談して離婚に向けた準備をされることをおすすめいたします。